SDGsバッジに生まれ変わった間伐材【地球派宣言】

広島市内の百貨店。
売り場に並んでいるのは国連が推奨する『SDGs』マークのバッジ。

販売されているSDGsバッジ

 

6年前、広島市で起きた土砂災害で大きな被害を受けた、広島市安佐北区大林地区の間伐材を使ったバッジです。
売り上げの3パーセントを、里山保全にあてる取り組みだそうです。

広島市安佐北区大林地区の山

 

バッジ製作を企画したのは、広島市内にある企業。
この企業も、土砂災害で、大林地区の工場が被害にあったそうです。

間伐材を使ったバッジ

 

その原因が、間伐材だというのです。

大林地区の山は、間伐作業が行われ、整備されているように見えます。
ところがよく見ると、山の斜面に切り出された間伐材が、そのまま放置されていました。

間伐作業が行われた山

 

地元で間伐を調査している方によると、豪雨になると放置された間伐材が川へ流れてしまいます。
それが詰まると川が溢れて、土砂が流れ出し、住宅や畑などに被害が出てしまう可能性があるというのです。

なぜ、放置されているのでしょうか。

価格の安い木材の輸入が増え、国産の需要が減少してしまったことで、林業の経営状況が厳しくなったことや、高齢化によって山の手入れをする人がいなくなったことなどが影響しているといいます。

これが、土砂災害から6年たった山の現状なのです。

 

放置されたままの間伐材

 

地元にある木材加工の企業では、商品価値が無いといわれる間伐材によるバッジの土台作りが行われていました。
作業をしていたのは、間伐材が川にひっかかり、川が氾濫する様子を間近で見ていたという男性。
災害から街を守りたいという思いから加工作業を引き受けたそうです。

間伐材でバッジの土台作り

 

こうした地元の人たちの思いが集まり、間伐材を使ったバッジの販売が始まったのです。