長引くコロナ禍 前を向く飲食店 広島


新型コロナの影響が長期化する中飲食店は営業時間の短縮や休業を求められています。何とか前を向き、今を乗り越えようとする人たちを取材しました。

山口との県境に立つ小さな洋菓子店。

(坪山奏子アナ)
「おいしそうな焼き菓子ですね、すべては並んでいないようなんですけれども、今営業はどうなっているんですか」

(エレファントスイーツ岡直子店長)
「緊急事態宣言が発令されてから土日だけという形でやっています」

イートインは完全に休み、土日も店頭での販売のみ。売り切る必要がある生菓子やパンなどは、ほとんど作っていません。

そこで始めたのが、焼き菓子の全国発送です。

(岡直子店長)
「応援するよ、全国に届くといいねと言ってくださる方がいたので、じゃあもっと頑張ろうという思いになれて」

通販サイトに登録し、インスタグラムで呼びかけたところ、2週間半で約30件、全国15都道府県から注文が入りました。

すべての都道府県に届けるのが新たな目標になりました。

(岡さん)
「年内に全部塗れたらいいなと思っています」

JR古市橋駅の近くにある、往来の激しい車道に面した焼き鳥店。緊急事態宣言の発令後、休業を続けています。

以前は、店の前で持ち帰り商品を売っていましたが、客と店員の接触を減らそうと休止しました。

店内の清掃や物品の整理に明け暮れる日々です。

そんな中、オーナーの丸本さんが続けようと決めたのは・・学生のアルバイトにわずかでも賃金を払い、賄いを出すことです。

(丸本博志オーナー)
「日々の食事にも困っているという現状を知ってまして、がんばれる源になればと」

最初は休業のために余った食材を使っていましたが、そのうち賄いのために仕入れるようになりました。

アルバイトの一人、大学2年の内田達也さんは島根県松江市の出身。

授業はすべてオンライン。人と直接会うことは、アルバイトの時以外ほとんどないといいます。

(内田達也さん)
「やっぱり家族で一緒に食べてる感じ、いろんな話もできて楽しいです」

余ったまかないは、家での食事用に。みんなで助け合いながら、営業再開の日を待っています。